2015年5月9日
学習の意義を考えよう
新年度が始まって1か月が経ちました。今日はいつもみなさんが疑問に思っていること、「なぜ受験があるのか?」、「なぜ勉強するのか?」を少し考えてみたいと思います。
まず、受験についてですが、その目的の1つが「限られた期間の中でどの程度達成できたかを図る」ということです。受験までに必要な能力、成果が上げられなければ合格しません。これは、社会に出てもよくあることなのです。例えば、納期までに間に合わなければいくら80%できていても意味がないのです。「限られた時間の中で必要な成果を出す」という社会に出ても求められている能力を受験で試されているのです。
つぎに、各教科について考えてみたいと思います。まず、英語。英語はその他の科目の中で最も仕事で使う教科でしょう。メール、電話の応対を英語で行わなければならないこともあると思います。中には、社内公用語が英語という日本の会社も存在します。英語を仕事で使わなかったとしてもお互いにある程度英語ができれば、世界中の各国の人たちとコミュニケーションをとることができます。お互いの母国語は通じなくても英語であれば分かり合えるのです。
つぎに、数学。数学は他の教科に比べて勉強する意義が見えないのではないでしょうか。確かに、社会に出て直接使うことは少ないかもしれません。ただ、だから「やらなくてよい」ということにはなりません。第1に、数学は物事を論理的に考える訓練になります。物事をもれなく重複なく分類したり、筋道立てて物事を説明する能力が鍛えられるのです。第2に、発想力を鍛えることができます。幾何・図形の問題であったとしても、座標を設定して考えるとあっさり解けてしまうこともあります。1つの方法でダメなら別の方法・別の発想で問題に対処しなければなりません。これによって、発想力が鍛えられるでしょう。
最後に国語。国語は日本人にとって母国語であり、日本人が物事を深く考え、自分の考えを表現するうえで、ベースになる言語なのです。高度で複雑なことを考えたり、表現したりするには外国語では限界があります。また、日本語は日本人にとってのアイデンティティになるのです。いくら世界中で使われているからと言って、「日本語を捨て英語を日本の公用語にする」というわけにはいかないでしょう。世界中に日本の良さをアピールするには、古くからある日本語(古典)を学び、歴史・文化を学ばなければならないでしょう。
英語、数学、国語以外の教科についても学習する意義・目的などを考えてみてはいかがでしょうか。